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『今日、「相愛幼稚園」を無事卒園しました。大変お世話になりました。』
沖縄に嫁いだ娘から写メールが届いたのが3月17日(木)の午後だった。第50回と書かれた看板の前で少し照れながらも晴れがましくポーズを取った孫の顔がそこにあった。次はいよいよぴかぴかの一年生!外孫とは云え彼の将来を思い嬉しさ半分の複雑な心境でもある。

「おっ頬白だ。。!」立ち止まって梅の小枝を
見上げていたら

『鶯ですね、いい声!』通りすがりの
ご婦人達が声の主を探して過ぎた。

「?」

聞こえるのは
「源平ツツジ白ツツジ」と云う鳴き声。
思わず自分の耳を疑ってしまった。
深大寺植物園での事です。

頬白は雀よりちょいと大きな小鳥で、
先の「源平ツツジ〜」の他に
「一筆啓上仕候(つかまつりそうろう)」
「しとどの睾丸七分二朱」
「でっち鬢(びん)つけ、いつつけた」
などと聞こえるらしい。

やっぱり、この頃のことで
よく間違えるのは
つまり、鶯と間違えてしまう鳥に
目白がいる。。

もともと鶯は警戒心が強く
雑木林や藪の中を生活圏とする
明るく開けた場所にある
梅の枝には目白が多い。
梅に鶯の例えが有名なんで
勘違いしている人が多い訳で。。

で、
鳴き声はと云うと
「チューチッ、チューチッ、チューピりピー」
なんだが
「長兵衛、中兵衛、長中兵衛」
となるらしい


お待たせしました
目白の次は〜池袋?
ちょいととばして
鶯谷
そうだに
鶯だに!

さてさて本題に入りますか?
今時分の鶯は
「チャッチャ、チャッチャ。。」
「ジェ、ジェ、ジェ、ジェジェ、ジェ。。」と鳴く
これを笹鳴き、或は地鳴きと呼ぶ
「ホーホケキョゥ〜♪」と鳴くまではちょいと時間が掛る。
先輩も若い衆(若鳥、つまりひよっこ)も
この時季から練習に入る訳でして。。

これを黙って聞いていると面白い、実に面白い!
当歳の若手鶯はまだ鳴き方を心得ておらず
あれこれ試し鳴き、つまり練習をする訳でして。。
ヘタクソな鳴き声を、近くで息を殺して聞いてみる

最初の内は「ホ〜〜・・・・」 「〜・・・・」
息を詰めて次の声を待っていても「~ケキョ」が続かない
笑ってはいけない。。
少しすると「ホ〜〜ホケッ・・・」
此処は何度聞いても噴出してしまいそうになる。
笑いをこらえるのが大変である。。

慣らし運転が終わると飛ばしたくなるのが人の常なるところだが、鶯もまた鳴き方のコツを掴んだその時は
「ホーホケキョケキョケキョケキョケキョ、ケッ」と大いに調子に乗って鳴き飛ばす。。
が、
しかしそれでは雌に相手にされないのかどうか定かではないが、段々普通に「ホーホケキョ」と鳴くようになる 。
やがてこの求愛行為が功を奏した頃には元の地鳴きに戻って静かに鳴くようになり
今度は蝉がうるさくなくようになり夏が来る。蝉と一緒になって鳴いている奴は未だに相手が見つからない訳で、
夏になって上手に鳴いていたとしても何だか可愛そうな状況を想像して複雑でもある。

我が孫、ピカピカの一年生が、爺のように「旨くきれいな声で」鳴けるものかと今から心配している。
「誰だ夏の鶯みたい」って云ってる奴は!
爺の心配は此処に尽きる。(まだ云ってる。。)

付録:鶯の谷渡り
    @「ケケッ、ケキョケキョ」と元気に早口に囀っている状態を「鶯の谷渡り」と云うようです。
      元気良くみせて求愛する事と、
      自分の勢力範囲・テリトリーを他の鶯や外の鳥に誇示する行為でもあるようです。               
   
    A好色艶本のいろは48手の技の一つになっていまして。。
     ここいら辺りも孫に個人教授にて伝授するまでは現役でありたいと。。
     
(やっぱりお約束の能天気爺なり!)

頬白(ホオジロ)

目白(メジロ)

鶯(ウグイス)




うぐひすの 去りて漸く こころ急き  黄枝

春告鳥に思うこと