「みのひとつだに」で、「実のひとつも無い」と,「蓑ひとつも無い」をかけたのだ。
それにしても、いにしえの歌人の観察力の正確さはいつも驚かされる。
八重咲きの花びらはおしべが変化したもので実の付きようが無いわけだから。。     

実も、秋になると4個付く。

↑その時の歌

「七重八重花はさけども山吹の
    みのひとつだになきぞ悲しき」




シロヤマブキ(白山吹)   バラ科

白花のものは、シロヤマブキ(白山吹)と云い別種。
ヤマブキは 5 弁花で,シロヤマブキは 4 弁花。

ヤマブキは
実も5個

花の歳時記

鷹狩りに出た道灌が
雨に降られて往生し
近くの小屋に立ち寄り
を貸してくれと頼んだ時

若い女性が無言で

山吹の花一枝を折って
差し出したのだが…

大田道灌は
花を貰いに来たのではなく
蓑を貸りに来たのだと怒って
帰ってしまう。

この話を伝え聞いた人が、
これは古い歌にある心を伝えた
ものであることを道潅に教え、
道潅は自分の無知を
大変に恥じたと云う謂れ。


皐月・水無月・文月・葉月

2009

ヤマブキ(山吹) バラ科

八重咲の山吹